デザイナーのtorimizunoです。 デザイナーメンバーで、今現在のスキルマップと今後できるようになりたいことの共有会を実施したところ、全員に「ライティング」が入っていたので、勉強のために読書会を立ち上げました。
カンムでは日々勉強会やデータ会などが開催されており、この記事ではその取り組みのひとつとして、今回の読書会を紹介します。
対象の本: UXライティングの教科書 ユーザーの心をひきつけるマイクロコピーの書き方
進め方
開催するにあたり、まず会の目的と進め方を定義して参加メンバーに伝えました。
背景
- アプリなどのプロダクトの文言決めについて、チーム内で議論をする場面が多々ある
- マイクロコピーというライティングの分野があり、ユーザビリティや顧客エンゲージメントを向上させる文言についてのノウハウが蓄積されている
目的
メンバー
- 必須
- デザイナーメンバー
- 任意
- 希望者
せっかくならデザイナー以外でも興味ある人なら誰でも参加していただきたいな…と声をかけたところ、COO・マーケティング・採用・エンジニア・bizdev・CSメンバーも参加の挙手をしてくれて、10人での参加になりました!
実施方法
初回は読書会参加メンバーの顔合わせも兼ねて背景・目的・実施方法について共有するキックオフを実施しました。 それ以降は下記の内容で各章を実施していきます。
- 毎週当番が章の要点をまとめて発表・議論する(60min…早く終わり次第解散)
- 業務に役立ちそうな知見 / 要約
- 現状のプロダクトとの比較 / プロダクトで実践
- よく理解できなかった点
また、すべての章が終わったタイミングで、振り返りを実施しました。 自分自身がカンムで読書会を主催するのがはじめてだったのもあり、会自体どうだったのか参加メンバーからの声を吸い上げたかった&参加者で共有したかった、今後の読書会に活かせるナレッジを全員で得られるようにしたかった…のが目的です。
実施してみて
最初にボイス&トーンの章があり、これらがユーザーに与える影響の大きさからライティングの大事さの認識を揃えた後、具体的なライティングの勉強について入る…という本の構成がよかったです。
次に参加者でブランド・ユーザー・現状について改めて議論できる機会があり、新しいメンバーが知らない過去のブランドで考えていたことを知れたり、現時点、今後の話もディスカッションできました。
▼ブランドを体現する言葉について議論したもの
毎週の章では、内容の共有の他、現状プロダクトでどうなっているかを見つめ直し、教科書を踏まえた上でどうあるべきかを全員がその場で考えてディスカッションするムーブが自然発生していったのがとてもよかったと感じました。
プロダクト開発チームの垣根を越えそれぞれの職種ごとの視点の意見交換ができていて、もっとこういう機会を普段のプロダクト開発でも増やしたいなぁ…とも感じました。
▼ディスカッションのメモ
読書会以外の時間でも実施した意味を感じていて、参加者の方とのMTG中に「UXライディングの教科書で登場した〜」というような、読書会から索引された内容の意見が飛び交う瞬間があり、言葉を考える時の判断材料のひとつに取り込まれていっているのを感じています。
読書会を通して、実際にプロダクトの改善施策も何個か走り、ダイアログ・プッシュ文言・新規登録時などのライティング改善にも活かされていっています。
本の自体の感想としては、「教科書」と名がついているのもあってライティングを考慮時に考えるべき視点を体型的に学ぶことができ、エラーメッセージなど細かい点も何を意識して考えるべきかがまとまっているので、デザインを考える上で手元に置いていつでも参照したい本のひとつになりました。
振り返りでの参加メンバーのコメント
- 文言を考える指針ができたのでよかった
- 各テーマ毎に視点を絞ってアプリを確認できた
- 「UXライティングのアレ」みたいな会話でコンテキストを圧縮できているような気がする
- 本は例がWeb寄り、アプリという限られたスペースを有効活用する場合はどうなるももっと知りたい
- フリーディスカッションの時間もっと欲しかった
- デザイナーが学びたいこと=割と誰でも役にたちそう
- アクセシビリティの視点を持ってなかったので面白かった
- いろんな人のプロダクトの現状イケてないポイントが知れたのはよかった
今後
振り返りで読書会のやり方自体についても議論があり、その点については本によっていろんな読書会のやり方が考えられそうだなと思いました。
読書会のやり方に対するメンバーのコメント
- ひとりで読むと大変そうな厚い本の負担が分散できた
- 要約が大変、でも要約すると考えは整理される、自分は要約だからできた
- 引用が多いと読書会の意味を考えるが、後でesa(社内wiki)で読めるエッセンスとして見れる観点もある
- やり方のフォーマットがあれば楽かもしれない
- 本に載ってない知識を引っ張り出せたのがよかった
今後はこれらのコメントを参考に、また別の分野でも、読書会や勉強会を実施していきたいです!
カンムでは学習と共有に一緒に取り組む仲間を募集しています。