バンドルカード開発チームの現在地

カンム 2024年アドベントカレンダーの22日目です。
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昨日はAwesomeさんの「銀行員が転職した話」でした。 Awesomeさんは今年カンムへ転職してきてくれたのですが、新規事業である「サクっと資金調達」の立ち上げに関わっていただいています。カンムは今までtoCサービスを中心に事業展開してきましたがこれからはtoBに関しても課題解決をしていきます。
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今回の私の記事ではバンドルカードのプロダクト開発が1年前からどのように変化してきたかを書きます。

私について

私については入社した年に書いた紹介記事があるのでこちらをご覧いただければ幸いです。 michiomochi.com

ここからのアップデートとしては2024年10月にもう少し範囲の広いB2C Divの開発全体を統括する立場のディレクターに役割変更しました。
今の役割で取り組んでいること等について最近書いてもらった記事があるのでこちらもご覧いただければ嬉しいです。
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バンドルカード開発チームとは?

カンムは現在以下の3つのプロダクトを運営しています。 vandle.jp pool-card.jp lp.sakutto-funding.jp

今回の記事ではこの中のバンドルカードを開発するチームについてお話します。

2023年末まではどのようにプロダクト開発を行っていたか?

バンドルカード開発チームでは2023年末まで以下のような形でプロダクト開発を行っていました。

2023年末までのプロダクト開発体制

  • プロジェクト毎にチームを作り、プロジェクトが完了したらチームを解散する
  • どんなプロジェクトを行うかは事業企画チームで立案や検証が行われ、やることが決まった段階でプロジェクトチームが作成される
    • プロジェクトチームはやることが決まった施策を実施することが責任範囲
    • プロジェクトによる効果検証については効果検証を行う環境を整えるところまでがプロジェクトチームの責任範囲で、実際に効果検証を行いレポートする責任を持つのは事業企画チーム
      • 効果検証の結果に応じて事業企画チームの判断の元、追加で新しくプロジェクトを行ったりする
  • プロジェクト完了後はプロジェクトに関する情報は各職能チーム(e.g. バックエンドチーム, CSチーム)に共有され、トラブルや効果検証といったタスクについてはカテゴリー毎に適当な職能チームで対応を行う

良かった点

この開発スタイルで良かった点としては以下の点が挙げられます。

  • やることが明確で議論の余地がないものについて最速で実行できる
    • 何をやるのかを決めるチームとそれを実行するチームを明確にわけることで各領域においての専門性を高め、明確な作業分担ができることで最速で実行が可能になる
    • なので「プロダクト設立初期」や「やることが明確なもの」とは非常に相性が良い

課題に感じていた点

前述した通りこの開発スタイルには良い点があり、実際に今までうまくいっていて会社としても売上を順調に積み上げることができていました。
ただこれからチーム規模や事業規模を拡大していこうとしている現在において、以下の点の課題が大きくなってきました。

  • 何をやるかを決めるプロセスに事業企画チーム以外の視点が入りにくいため、現時点では未知なものであったり多角的な視点での施策策定が難しい
  • 事業企画チーム以外の他メンバーが何を行うかのプロセスに介入するのが難しいので「やらされてる感」を持ちやすい
  • プロジェクト毎にチームが作成され解散するので、各メンバーはどのKPIに対して注力すればよいのかが明確ではない
    • なので各メンバーの目標や評価指標としてはプロジェクトを最速で完了させられたかに収束しがちである
      • 本来評価したいものとしてはプロダクト開発においてのアウトカムに寄与できたのかということなので少し乖離する

2024年からどのようにプロダクト開発を行っているか

2024年からは以下のような形でプロダクト開発を行うよう体制変更を行いました。

2024年からのプロダクト開発体制

  • 職能を横断したチームを作り、そのチームでプロダクト開発を行う
  • 各チームには追うKPIを定める
  • 各チームはプロジェクト毎に解散されるといったことはなく、長期的に存続し定められたKPIを向上させていくことに責任を持つ
    • 短期間でチームが解散することはありませんがメンバーの異動等は適宜発生する
  • 各チームがKPIを向上させるためにやることの決定権は各チームが持つ
    • 何をやるかはチーム内のメンバー全員で意見を出し合い決める
    • 各チームにはPdMがアサインされ、主にPdMがチームのリードを努める
    • 何をどのような優先順位でやるかはPdMがリードして決めるが、決めるための意見やフィードバックについては各メンバーが積極的に行う
    • チームの持つKPIがどれだけ向上したかが各メンバーの評価に繋がる
    • メンバーの目標は所属するチームが持つ目標を上位目標とし、紐づかせて設定する

なぜこのような体制変更を行ったのか

前述した通り明確にやることが見えている状態でそれを実行するにおいては2023年末までの体制のほうが都合が良い点が多くあったと思います。
ですが今後チーム規模を拡大し機能開発や新規事業の立ち上げを複数実施していく中においては、各チームが自律的に動き重要なKPIを向上していける体制を作ることが必要でした。このような体制変更をすることで仮説検証を素早く回していかないとたどり着けないような未知の課題に対しての解決も行っていけるようになるはずです。
具体的にはこの体制変更を行うことで以下のような良い効果を期待しました。

  • プロダクトにおける各KPIの向上について各チームが各メンバーの多角的な視点で主体的に動くことで、改善や計測を継続的に行えるようになり自立したプロダクトチームとなる
  • バンドルカード全体のミッションや目標が各チームの目標に繋がると同時に、各チームの目標が各メンバーの目標に繋がるようになる
    • そうなることでメンバーがどのように動くことを期待されているかが明確となり成果を出すための動きがしやすくなる

この開発体制で1年プロダクト開発を行った結果

この体制で1年ほどプロダクト開発を行ってきた結果ですが成功だったのではないかと思っています。
前述した期待する効果としては概ねその通りになったと感じています。
各チームが持っているKPIが何なのかが明確になり、開発チーム全体がそれを前提としたコミュニケーションができるようになりました。またチームが持つKPIが明確になったためそれぞれのチームがKPI向上に向けて自律的に行動ができるようにもなりました。
全体へ進捗を共有し合うような定例において各チームがKPIの現在地であったり向上施策や向上に至るまでのロードマップ等を共有する動きが見られるようになり全体が前進しているように感じます。

いい例として、先日バンドルカードでボーナスタウンという大きめな機能のリリースを行ったのですが、以前であればリリース後にチームは解散し、誰がその後の向上施策を行うかといったことが明確ではない状態になっていたと思いますが、現在はリリース後もシームレスに同じチームで課題の整理やロードマップが能動的に作成されリリース後にどのようにすればより使ってもらえるようになるかといったKPI向上のための動きがなされています。 kanmu.co.jp

これから改善していきたいこと

ただ全てがうまくいったということはもちろんなく、まだうまくいっていないこともあります。

期待していた効果として挙げた「バンドルカード全体のミッションや目標が各チームの目標に繋がると同時に、各メンバーの目標が各チームの目標に繋がる 」については各チームの目標をどのように各メンバーへ接続するのかを模索している状態で未だ運用に上手く乗せることができていません。
各チームが持つ目標は決められていますが、その目標に対し各メンバーがどのような形で貢献するか、そしてそれをどのように目標として置くかをどのように決めるかが難しく感じています。各チームをリードするのはPdMですがPdMは必ずしも各職種に関する深い知識を持ち合わせているわけではないのでそれぞれのメンバーの目標設定までを担当するのは難しいのではないかという課題があります。
なので現状は評価をする際には各チームのリード(主にPdM)が各職種のマネージャーへチームでの動きをレポートし、そのレポートを元に職種のマネージャーが評価を行うという形をとっています。

今後どのように目標設定を行っていくかといった部分に関しては改善していきたいと考えています。

さいごに

カンムではこのようにその時々に応じてどのようなプロダクト開発体制が最適なのかを考え、柔軟に体制変更が行える会社です。
このような変化は非常に大きいものでありこんなに早く適用し運用できるとは思っていませんでした。
ただこれがいつまでも最適な形だとは思っていなく今後もうまく行っていない点を継続的に見つけ、チューニングしていくことが必要だと思っています。カンムはそれができる組織です。
カンムはソフトウェアエンジニア、デザイナー、PdMといった職種を中心に積極的に採用を行っています。
もし少しでもご興味があればぜひカジュアル面談でお話できれば幸いです。 team.kanmu.co.jp