こんにちは、カンムのフロントエンドチームでエンジニアリングマネージャーをしている佐藤です。
これは カンム Advent Calendar 2024 の7日目の記事です。昨日は always_allokay によるお世話になっているライブラリをちょっと見てみるシリーズ、shopspring/decimalの記事でした!
この記事ではチームで行っている朝会の様子や改善してきたことを紹介します。
背景
バンドルカードチームでは、今年の頭から各職能チーム(Unit)のメンバーが異なる目的を持ったチーム(いわゆるフィーチャーチーム)に属し、それぞれが独自のプロジェクトやタスクに取り組む形でプロダクト開発を進めています。フロントエンドチームメンバーもそれぞれがそれらのチームに属す形になっています。チーム数などは実際とは異なりますが、構成としては以下の図のような一般的なイメージのものです。進捗確認や細かい機能のアサインなどのやり取りはフィーチャーチーム内でスムーズに行われています。
目的
フィーチャーチームの誕生前から存在していたフロントエンドチームでの朝会では、各メンバーの「直近の仕事の予定や、今の困りごとを相談する」という目的で実施され、チームの知識の平均化や、気軽なコミュニケーションの場などとして一定の機能を果たしてきました。
他にも、朝会での何気ない一言が他のメンバーに引っかかり、潜在的な問題を早めに発見できる役割もあります。基本的にはフィーチャーチームでの各プロジェクトの仕様や進め方は各メンバーが決めていくという体制ですが、フロントエンド観点で最低限抑えておくべきものなどを広い視点で拾うことができる良い場だと感じています。
なお、ここまでわかりやすさのため「朝会」と書いていましたが、実施は午後の15時にしています。これは、午後の集中力が落ちてくるタイミングで気分転換を図るという狙いである時点からそうしています。様々なライフステージのメンバーがいるなかでも参加率も高く好評でした。
課題
概ね良い部分もありつつ、フロントエンドチームへの人数の増加や、それぞれのフィーチャーチームにおける中期的なプロジェクトが本格化したことで、議論の幅や深さが増してきました。
プロジェクトの状況や課題、それらの実装など共有するトピックが格段に増えたことで、単純に時間を大幅にオーバーすることが増えたり、あとの方に話すメンバーの持ち時間が足りなくなるという部分に課題感がありました。
そういったこともあり、何度か手法の見直しを行ってきたので少し紹介します。
試行錯誤の過程
とりあえず全部吐き出す
まずは各メンバーが実装から仕様まで様々なそこそこ大きなトピックを話す機会が増えたということで、もともと30分だったMTG時間を1時間に拡大し、思う存分話すようにしてみました。
仕様の議論から実装の詳細まで幅広いトピックを扱う場として機能し、他のチームの状況の共有やそこそこ深い議論ができるのは非常に良い点でした。
一方で、内容が詳細になりすぎたり、情報量が多すぎて議論への集中が難しくなる場面も多々ありました。また、そういった内容を毎日1時間のMTGで話すのは次第にヘビーに感じられるようになっていました。
ゆるい時間制限とファシリテーションの導入
課題を感じながらも上記の運用を続けた後に、大きな問題であった時間不足に対処するため、MTG時間を30分に戻し、1人あたり5分程度を目安とする時間制限を設けてみました。
もともとは話し始める人を入社順にしていましたが、後の方になると時間が足りなくなるという課題があったので、日ごとに話し始める人兼ファシリテーターがおおむね輪番になるようにしました。
また、ファシリテーターが固定だと聞き役も偏ってしまう状態でもあったため、持ち回りで担当することで、自然な会話が生まれるようにする意味もあります。ファシリテーターの選出には、朝会に使用しているNotionの適当なデータベースに組んだNotion数式をとりあえずと思って使いましたが、意外と使い勝手もよくそのまま使用しています。
このあたりを進めることである程度共有の効率が上がりました。とはいえ時間制限が曖昧だったため、結局時間オーバーになることが多く、どの程度の詳細さで話すべきかという悩みは解消されませんでした。なにより、盛り上がっているトピックの話をファシリテーターが中断するのはかなり勇気が必要でした。
厳密な時間管理と議論コーナーの設置
そこで、厳密な3分制限を導入し、時間管理を徹底してみることにしました。また、それだけだとあまり変化がないので話し足りない内容や少し議論したいトピックのために、一通り全員が話し終わったあとに議論や雑談のコーナーを設けました。これまでも少し大きなトピックの場合は別でMTGを設定するようにはしていましたが、朝会で盛り上がった内容を改めてMTGとして設定する塩梅が結構難しく、この変更でそのあたりのバランスがとれたと思っています。
この形式により、共有の効率が飛躍的に向上し、綺麗に時間内に全員が発言できるようになりました。詳細な議論も後半で行えるため、話す粒度の調整も容易になりました。
時間制限に関して特に大きくやり方を変えたわけではなく、曖昧になっていた認識を揃えたこと、後続で話せるコーナーを設けたことで自然にあとで議論する流れが作れています。 これは今のところよく機能していて、多少のメンバー増加が伴っても問題はなさそうです。
終わりに
この一年間でチームメンバーが急増し、それに伴って場が機能しているかを意識する機会が増えました。特に朝会はその中の一つであり、メンバー全員が価値を感じられる場を模索してきました。
こうして改めて振り返ると、ルールの設計はもう少し最初からいい感じにできたな、と感じる部分もあります。とはいえ、それ以上に重要だったのは自分を含めたメンバーが場に対してどのような点に価値を見出しているのかを理解し、それを上手く残していくことだったとも感じます。こうした過程を経ていったんの最適解を見つけるのも案外良かったのではと思っています。
現状としては情報共有の場以上に良い形になっていると感じますが、朝会に限らずこういった場は組織体制の変化に応じて柔軟に形式を見直していく必要があると思います。 似たような組織体制や課題を抱えるチームの参考になれば幸いです。
カンムでは引き続き、フロントエンドエンジニアを募集しています。興味のある方は、ぜひご連絡ください。