最近のRedash

SREの菅原です。 この記事はカンム Advent Calendar 2024の4日目の記事です。

最近のRedashの開発状況について、知っている範囲ですこし書いてみたいと思います。


redash.io

Redashといえば様々なデータソースをSQLを使って可視化できるBIツールで、カンムでも業務のデータ分析に使われています。 ただ、一昔前にRedashがはやっていた頃に比べると、最近ではトレンドからは外れたような印象があります。

実際、SaaS Redashが終了した2021年から2023年の4月あたりのGitHubのアクティビティを見ると、活動が停滞しています。

Contributors to getredash/redash · GitHub

この頃、CVE-2023-0286の対応のため、私はRedashのDockerイメージのベースをDebian busterからbullseyeに更新しようとしたのですが、そもそもDockerイメージをビルドするCIが壊れていたので、それを直すPull Requestを作成してたりしました。

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2023年4月にRedashがコミュニティ主導のプロジェクトになるアナウンスがされます。

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これを契機に開発が再び活発になり、古いIssueやPull Requestが整理され、新しいメンテナの方々によって依存ライブラリのバージョンアップなどのPull Requestがどんどんマージされるようになりました。

あわせてGitHub Actionsへの移行、CIの改修、docker composeまわりの改善も進み、開発しやすい体制が整っていきます。

私もいくつかPull Requestを作成してマージしてもらいました(懸念だったベースイメージの更新もできました)。


2024年は前年ほどではないものの粛々と開発は続いています。

ずっとWarningを出していた開発停止ライブラリが削除されたり

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ARM64のDockerイメージの作成されたり。

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また開発ドキュメントの整備も進んでいます。

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懸念は安定版がなかなかリリースされないことです。 (最新の安定版のリリースは3年前)
以下のディスカッションで議論はされていますが、外からはメンテナンスチームの動きがあまり見えないので、気になるところではあります。

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プレビュー版のリリースは活発なので、もし来年の前半ぐらいまでに安定版がリリースされないのであれば、プレビュー版に移行していくしかないかな…となんとなく考えています。

まとめ

ほとんど更新が止まったかに思えたOSSが再びよみがえっていく様子を見られたのはなかなかうれしいことでした。 まだ懸念点はあるものの、コミッターには日本人の方もおり、改善のPull Requestも受け入れられやすい状況にあるのではないかと思います。

カンムでは引き続きRedashを使っていく予定なので、今後もRedashコミュニティに多少なりとも貢献できればと考えています。